tori03’s diary

写真を撮ることが好きなエンジニアの日記です

Xデザイン学校#04 質的調査と社会システム1日目

■はじめに

9月1日と2日と京都で行われたXデザイン学校の質的調査に参加してきましたのでその振り返りをしたいとおもいます。3年連続の参加ということで、いままでの反省を踏まえつつ、今の自分に何が足りないものを見つけることにもトライしてきました。

 

■ビジネスの基本は「誰に」・「何を」売るのか
私達のチームはこれまで訪日客向けの長期滞在サービスの提案を考えてきました。そんな経緯もあり、私達は今回も訪日客の調査&ヒアリングを行うと思っていました。今まで考えてきたサービズを先生にぶつけたところ「訪日客向けの長期滞在サービスをやりたいのはわかったけど、長期滞在する訪日客は何をするの?。訪日客に提供するコンテンツがない」と言われてしまいました。それを言われて何も答えることができませんでした。そのとき海外から来る訪日客の分析に集中しすぎて、私達が訪日客に提供した日本の良さって何?という点がごそっと抜け落ちていることに気づきました。ビジネスの基本は「誰に」・「何を」売るのか。日本とは違う文化を持った国からくる訪日客というユーザーのことをもっと調べなければという焦りに捕らわれてその基本ができていませんでした。

 

■質的調査と社会システム
そんな反省から予定を変えて「日本の豊かな暮らし」を考えるために昔ながらの観光化されていない京都の暮らしが残っている御所南のエリアに質的調査を行ってきました。今回は先生や同じチームのデザイナーさん一緒に回りました。今回はその二人から大きく2つのことを学びました。

 

■質的調査ではユーザーの行動の流れを捉える
これまでも何度かあったのですが、デザイナーさんはユーザーの行動を細かく見ているということに驚かされます。なぜ自分がそれができていないのかその原因が少しわかってきました。私はユーザーの行動を瞬間として捉えいるのですが、デザイナーさんは人の行動の流れとして見ていました。言い換えると「写真と動画の差」。今回デザイナーさんが見つけたユーザの行動ですごいなとおもったのは「ドアではなくのれんという緩やかな境界にすることで、お客さんが気軽に外から中に入れるようにしている」というものでした。私はのれんをくぐるという瞬間だけしか見ていませんでしたが、デザイナーさんはのれんをくぐるまえの仕草、のれんをくぐった後の表情からそのインサイトを見つけ出していました。UXデザインで重要視される利用文脈を捉える力がまだまだ足りていないことを痛感しました。

 

■社会システムを見つける
もう一つ学んだことは質的調査(エスノグラフィ)を行うときは社会システムがどうなっているのかを考えるということです。エスノグラフィの目的はある限られた範囲の社会システムがどうなっているかを調べることにあります。社会システムとは例えば、そこに住んでいる人達が言語化できてきないルールや習慣のことです。人の行動というミクロな現象から、その中に潜むマクロな社会システムを見つられるかが一つのポイントとなります。先生からは「良いエスノグラフィを行うには文化・社会システムに対する知識も必要」ということを教わりました。今回は京都でエスノグラフィを行いましたが京都は都市文化の街なので、パリなど他の都市文化の街と比較してみるのが良いそうです。ここでも一つの学びを得ました。比較するときは都会と田舎というようにグループが異なるものを比較することが多いですが、都市と都市というように同じグループ内の比較を丁寧に行うことで見えてくるものがあることを学びました。

 

■KAカードと価値マップの作成
質的調査の後は、KAカードから価値マップの作成を行い調査結果の分析を行ってきました。去年は大きく苦戦しましたが、今回価値マップを作るときに心がけたのは「軸で区切らないこと」。今までは考えやすい2軸で区切ってしまうことが多かったのですが、安易に軸で区切ってしまうとどうしても価値と価値がはっきり別れすぎてしまい、価値と価値の間にあるもの、お互いの関係性が見えなくなってしまっていました。なので今回は価値と価値の関係性を見て、価値の構造や循環を考えるようにしました。そうやって見ると価値の構造や価値の循環を捉えやすくなったので今後も続けて行きたいとおもいました。

 

質的調査1日目ここまで。2日目に続きます。