tori03’s diary

写真を撮ることが好きなエンジニアの日記です

Xデザイン学校#02 「モノを見るエンジニア、ヒトをみるUXデザイナー」

先日のXデザイン学校#02オブザベーションに参加してきました。今回ベーシックコースの講義内容はオブザベーション。ユーザーを観察する手法を学びます。私も含めた研究生メンバーは先生の講義を聞きつつ自分たちの研究を進めます。私達のチームはなんば黒門市場大阪城でのユーザ観察の分析を行いました。

 

ユーザ観察をしてみて、オブザーションの難しさを改めて思い知ったのでまずはそのおさらいから。

 

UXデザインの全ての基本「調査」。UXデザインで行う調査はよくある1000人にアンケートのような定量調査ではなく、定性調査。たくさんの人の意見を数えるのではなく、ユーザの実際の行動を観察することで数値化できないデータを収集して分析する。そこからユーザ自身も気づいていない潜在的な欲求を見つけ出す。文章に書くのは簡単だがこれが難しい。観察の手法はいくつかあるが、すべての手法に共通するポイントは大きく次ぎの3つ

 

①モノでなくヒトを見る
 普段からモノづくりをしているエンジニアはヒトを見ずにモノを見てしまうことが多い。例えばエンジニアは「スマホの画面が見にくい」という具合で見てしまうがそこにはヒト(ユーザ)がいない。スマホの画面が多少見にくくてもユーザはいつもそれを使っているのでその問題を克服している。「ユーザは友人と一緒にスマホを見ながら楽しそうにしている」というようにヒトを必ず見るようにする
 
②なぜ人はこういう風にしているのだろうのと「問い」を立て、観察の焦点化を行う
 観察をするときは問いを立て観察の焦点を決める。そして観察を重ねるごとにその焦点を緻密化していく。このとき注意することが一つある。観察をするときはエクストリームなことをしているヒトに目がいってしまいがちだが、エクストリームな行動に注目してしまうとビジネスの広がりがなくなってしまう。何人か観察をして「同じ行動をしていないか?」という視点で問いを立てると良い。
 
③仮説(思い込みを持って観察をしない。まずはありのままのユーザの行動を観察する
 観察の目的は新たなインサイトを発見するために行う。今持っている仮説の検証を行うために行うのではない・ユーザはきっと〇〇だと思いこんでしまうと新たな発見は得られない。
 

観察の次は分析。今回はカスタマージャーニーマップについて講義を受けた。カスタマージャーニーマップとはユーザの行動を時間軸に並べてユーザの感情曲線を描き、その変化を分析する手法。カスタマージャーニーマップを見るときに気をつけるポイントも3つ

 

①問題を虱潰しにするのでなく、トリアージする
②感情曲線の最小値を見るのではなく、複数のユーザの感情が下がっているポイントに着目する
③事実の関係性を探り、背景を推測して概念を抽出する

 

分析では重要なの「多くのユーザに共通する課題」を抽出できるかどうか。ビジネスを成り立たせるためには多くのユーザの本質的な欲求を捉える必要がある。

 

さてここからは自分たちの研究へ。私達の研究のテーマは「人と情報の新しい関係」。具体的なケースとして情報を調べることが多い「観光・旅行におけるサービス」を考える。前回大阪の黒門市場大阪城の観察結果の分析を行う。観察からわかったことは一口に観光客といっても国や民族、その背景によってそれぞれ求めているものが違うということ。先生たちとのディスカッション中で話があった例でいうと、中華圏の人たちは市場のような開けたスペースで食べることに慣れているので日本のお店のように外から見てお店の中がわからなくなっていると入ろうとしない。逆に欧米の人は自分たちからぐいぐい行くなど行動にも差が出る。

 

そういったことを踏まえつつ「事実→解釈→仮説」というフェーズで分析を行った。事実はひたすらに見てきことを並べる。解釈では事実を見てユーザはこういう風におもっているんじゃないかという案を出す。仮説では解釈して内容をもとに概念を抽出する。解釈まで行ったところで、やはりユーザによって問題が異なっていることに気づく。さらにユーザだけでなく、サービスを提供している側にもそれぞれ問題が異なっている。うーんと悩んでいると先生方から「一つの問題を解いても無駄。全ての問題は繋がっているから、全体像を見てから問題を掘り下げた方が良い。」と言われる。今回はここで時間切れ。

 

尻切れトンボになってしまいましたが、「課題抽出力」の大切さを改めて思い知りました。。