tori03’s diary

写真を撮ることが好きなエンジニアの日記です

Xデザイン学校#04 質的調査と社会システム1日目

■はじめに

9月1日と2日と京都で行われたXデザイン学校の質的調査に参加してきましたのでその振り返りをしたいとおもいます。3年連続の参加ということで、いままでの反省を踏まえつつ、今の自分に何が足りないものを見つけることにもトライしてきました。

 

■ビジネスの基本は「誰に」・「何を」売るのか
私達のチームはこれまで訪日客向けの長期滞在サービスの提案を考えてきました。そんな経緯もあり、私達は今回も訪日客の調査&ヒアリングを行うと思っていました。今まで考えてきたサービズを先生にぶつけたところ「訪日客向けの長期滞在サービスをやりたいのはわかったけど、長期滞在する訪日客は何をするの?。訪日客に提供するコンテンツがない」と言われてしまいました。それを言われて何も答えることができませんでした。そのとき海外から来る訪日客の分析に集中しすぎて、私達が訪日客に提供した日本の良さって何?という点がごそっと抜け落ちていることに気づきました。ビジネスの基本は「誰に」・「何を」売るのか。日本とは違う文化を持った国からくる訪日客というユーザーのことをもっと調べなければという焦りに捕らわれてその基本ができていませんでした。

 

■質的調査と社会システム
そんな反省から予定を変えて「日本の豊かな暮らし」を考えるために昔ながらの観光化されていない京都の暮らしが残っている御所南のエリアに質的調査を行ってきました。今回は先生や同じチームのデザイナーさん一緒に回りました。今回はその二人から大きく2つのことを学びました。

 

■質的調査ではユーザーの行動の流れを捉える
これまでも何度かあったのですが、デザイナーさんはユーザーの行動を細かく見ているということに驚かされます。なぜ自分がそれができていないのかその原因が少しわかってきました。私はユーザーの行動を瞬間として捉えいるのですが、デザイナーさんは人の行動の流れとして見ていました。言い換えると「写真と動画の差」。今回デザイナーさんが見つけたユーザの行動ですごいなとおもったのは「ドアではなくのれんという緩やかな境界にすることで、お客さんが気軽に外から中に入れるようにしている」というものでした。私はのれんをくぐるという瞬間だけしか見ていませんでしたが、デザイナーさんはのれんをくぐるまえの仕草、のれんをくぐった後の表情からそのインサイトを見つけ出していました。UXデザインで重要視される利用文脈を捉える力がまだまだ足りていないことを痛感しました。

 

■社会システムを見つける
もう一つ学んだことは質的調査(エスノグラフィ)を行うときは社会システムがどうなっているのかを考えるということです。エスノグラフィの目的はある限られた範囲の社会システムがどうなっているかを調べることにあります。社会システムとは例えば、そこに住んでいる人達が言語化できてきないルールや習慣のことです。人の行動というミクロな現象から、その中に潜むマクロな社会システムを見つられるかが一つのポイントとなります。先生からは「良いエスノグラフィを行うには文化・社会システムに対する知識も必要」ということを教わりました。今回は京都でエスノグラフィを行いましたが京都は都市文化の街なので、パリなど他の都市文化の街と比較してみるのが良いそうです。ここでも一つの学びを得ました。比較するときは都会と田舎というようにグループが異なるものを比較することが多いですが、都市と都市というように同じグループ内の比較を丁寧に行うことで見えてくるものがあることを学びました。

 

■KAカードと価値マップの作成
質的調査の後は、KAカードから価値マップの作成を行い調査結果の分析を行ってきました。去年は大きく苦戦しましたが、今回価値マップを作るときに心がけたのは「軸で区切らないこと」。今までは考えやすい2軸で区切ってしまうことが多かったのですが、安易に軸で区切ってしまうとどうしても価値と価値がはっきり別れすぎてしまい、価値と価値の間にあるもの、お互いの関係性が見えなくなってしまっていました。なので今回は価値と価値の関係性を見て、価値の構造や循環を考えるようにしました。そうやって見ると価値の構造や価値の循環を捉えやすくなったので今後も続けて行きたいとおもいました。

 

質的調査1日目ここまで。2日目に続きます。

Xデザイン学校 チーム定例#02 「訪日客とチーズホットドッグ」

先週Xデザイン学校大阪校の研究生チームで京都にユーザー観察に行ってきました

 

第二回の講義まで自分たちのチームで上がっていた課題は以下の通り
 1.ターゲットユーザーを訪日客としたが、訪日客と言っても国・民族・背景など様々な要因で異なっているため絞りきれいていない
 2.ターゲットとする事業領域を「観光・旅行」としたが、様々なステークホルダーが絡み合っているため問題が複雑で、自分たちが解くべき課題が明確になっていない

第一回の講義のあとに行った観察では、黒門市場大阪城でたくさんのユーザを広く浅く見てしまったせいで、分析も広く浅くなってしまいました。そこで今回は、観察対象とするユーザを絞って観察を行ってきました。

 

そんな今回の観察の目的は大きく3つ
1.一旦北米・欧米系の訪日客にターゲットを絞り観察を行い仮想ペルソナを設計する
2.訪日客に実際どのようなステークホルダーが関わっているのかを確認し、観光に関わるステークホルダーを整理し俯瞰してみる
3.訪日客の旅の嬉しさを分析し、最高の旅について考える

 

シャドーイング

今回の観察ではターゲットユーザーを絞ってユーザを深く観察するシャドーイングという方法を行ってきました。シャドーイングとはわかりやすく言うと「ターゲットとするユーザーの後を気づかれないようについて行って観察する方法」です(※れっきとした調査でありストーカーではありません)。シャドーイング最大のメリットは、ユーザーの行動・言動を生の状態でみることができること。よくあるアンケートやヒアリングでは、ユーザーが気を使って答えたり、質問者の質問によってユーザーにバイアスがかかってしまい、本当の姿が見えなくなってしまうことがありますがシャドーイングはそれを防ぐことができる方法の一つです。


観察の開始地点は京都駅。訪日客が京都観光をスタートする場所からシャドーイングを行ってきました。

 

まずは最初にターゲットするユーザを見つけに京都駅構内にある観光案内所に行きました。同じチームのWebデザイナーさんの情報によると訪日客の人が最初に立ち寄ることも多いそうです。観光案内所に行って最初に行って思ったことは「紙のパンフレットがめっちゃたくさんある!」ということ。そして意外に外国語で書かれたパンフレットが少ない(全体の1/4~1/3くらい)。日本人でも選ぶの困るなーと思っていたら、訪日客の方々は相談員さんの方と話しながら地図に書き込んでもらい、自分たちのルートを決めているようでした。情報がたくさんあっても選ぶの困るだけということを改めておもいました。

 

観光案内所ではタイミングが悪かったのか私達がターゲットとする欧米系の訪日観光客の方がいなかったので、京都駅のバス停でユーザを探しました。ちょうど私達がターゲットとする欧米系のカップルの方がいたので早速シャドーイングを開始しました。

 

まず最初に気づいたことは二人共荷物をほとんど持っていないということ。男性の方は一眼カメラとスマホとお財布のみ、女性は小さなバッグだけ。京都駅の近くに泊まって観光しているような感じでした。このカップルは地図も持っていないようで、スマホでちらっと行き先を確認してバスの椅子に座っていました。一方その隣のいた訪日客のカップルは地図を出して、何度か行き先をチェックしていました。逆に共通点として、バスが進むと徐々に不安な目つきになりしきりにバス前方に表示されるバス停を名前とバスの外の景色を確認していました。あと気づいたこととして、訪日客の方は一日パスを使ってバスに乗っていることが多いということがわかりました。

 

さてカップルは八坂神社前でバスを降りました。スマホで地図を確認せずそのまま歩き出しました。どうやら道を既に知っていたようです。どこへ行くのかと思っていたら祇園へ。写真でも撮るのかなと思っていたら、特に何もせずにメイン通りをスタスタ歩いて行きました。ようやく男性の方が持っていたカメラを構えたとおもったら、メイン通りを撮らずにだれもいない脇道の写真をパシャリ。そのままカップルはメイン通りを離れて脇道に入っていきました。一本脇道に入るとびっくりするくらい人が少なくなり、落ち着いた雰囲気に。ここで男性の方が女性にカメラを向け写真を撮り始めました。どうやらメイン通りは観光客が多すぎたようです。

 

そろそろお昼時なのでそろそろご飯でも食べるのかなと思ってると、そのまま裏通りを通って鴨川方面へ。特に観光するわけでもなく街をだらだら歩く。次ぎの観光スポットに急いで向かうわけでもわけでもないよう。どこへ行くのかなと思っていたら公衆トイレへ。どうやらグーグルマップでトイレの位置を調べてトイレを見つけたようです。

 

ここでちょっと距離を縮めすぎたなとおもって距離を開けたらカップルの姿を見失いました。しょうが無いと思っていたら錦市場で奇跡の再開。また彼らの行動調査を再開しました。そろそろお昼時。京都だし和食的なものを食べるのかなとおもっていたら、彼らが向かったお店はなんと

「チーズホットドッグ」

京都とは1mmも関係がない。。。日本人が思う訪日客の行動と、実際の行動は違うことを改めて思い知らされました。自分もそうでしたが海外に行ったとき食べたいものって、案外自分が普段食べ慣れたものなんですよね。

 

そこで彼らとはお別れし、錦市場へ。次はカップル+甚平を着たおじさんの3人組訪日客のシャドーイングを行ってきました。甚平を着たおじさんは日本語も喋れるようで、カップルを案内していました。おじさんが説明してくれたり通訳をしてくれるので、自分たちだけではわからない話が聞けて楽しそうでした。

 

彼らは錦市場で日本酒の試飲をできる酒屋さんへ。どうやら甚平を着たおじさんが連れて行ったようです。店頭にいた店員さんと話しながら試飲を楽しんでいました。そのときちょっとした事件が。彼らが店員さんとずっと話していたため日本人のお客さんが聞きたいことを聞けずイライラ。ようやく話が終わったのかなと思ったら彼らは何も買わずにそのままお店を出る。店員さんの視点でみると、訪日客に時間をかけて説明したのに売上にはならずに、せっかく買いに来てくれたお客さんを怒らせてしまうという損しかない展開になってしまいました。

 

■結果の分析
今回はKA法を使ってシャドーイングの結果を整理しました。KA法は「出来事」・「ユーザの心の声」・「価値」の3つの軸で集めた情報を整理する方法です。「出来事→ユーザの心の声→価値」の分析の流れは前回行った「事実→解釈→仮説」と同じような流れになります。KA法は一枚ごとにデータをまとめて行くので、粒度を保ったまま分析ができるメリットがあるとおもいます。

実際にシャドーイングをして気づいたことは訪日客は意外と情報に困っていないということ。スマホをしきりに見て検索したりとという行動はあまり見られませんでした。そして観光スポットをたくさん回るのではなく、意外とゆっくりと時間を使っていることがわかりました。

 

二組シャドーイングしたことで差分も見えてきました。一組目のカップルは案内してくれる人はいませんでしたが、余計な情報がないぶん自分たちのペースで回れていました。観光スポットを次々回ってもせかせかするだけで楽しめないのかもしれません。一方甚平を着たおじさんが案内されているカップルもおじさんが情報を選択して伝えてくれるので、楽しめているようでした。

 

もう一つ気づいたことは訪日客を相手にしているお店の人や、日本人のお客さんも重要なステークホルダーでその人達の嬉しさも大切だということ。スペインのバルセロナで観光客が増えすぎて観光客を制限したというニュースがありましたが、観光する人も地元の人も嬉しいサービスを考えていきたいとおもいました。

Xデザイン学校#02 「モノを見るエンジニア、ヒトをみるUXデザイナー」

先日のXデザイン学校#02オブザベーションに参加してきました。今回ベーシックコースの講義内容はオブザベーション。ユーザーを観察する手法を学びます。私も含めた研究生メンバーは先生の講義を聞きつつ自分たちの研究を進めます。私達のチームはなんば黒門市場大阪城でのユーザ観察の分析を行いました。

 

ユーザ観察をしてみて、オブザーションの難しさを改めて思い知ったのでまずはそのおさらいから。

 

UXデザインの全ての基本「調査」。UXデザインで行う調査はよくある1000人にアンケートのような定量調査ではなく、定性調査。たくさんの人の意見を数えるのではなく、ユーザの実際の行動を観察することで数値化できないデータを収集して分析する。そこからユーザ自身も気づいていない潜在的な欲求を見つけ出す。文章に書くのは簡単だがこれが難しい。観察の手法はいくつかあるが、すべての手法に共通するポイントは大きく次ぎの3つ

 

①モノでなくヒトを見る
 普段からモノづくりをしているエンジニアはヒトを見ずにモノを見てしまうことが多い。例えばエンジニアは「スマホの画面が見にくい」という具合で見てしまうがそこにはヒト(ユーザ)がいない。スマホの画面が多少見にくくてもユーザはいつもそれを使っているのでその問題を克服している。「ユーザは友人と一緒にスマホを見ながら楽しそうにしている」というようにヒトを必ず見るようにする
 
②なぜ人はこういう風にしているのだろうのと「問い」を立て、観察の焦点化を行う
 観察をするときは問いを立て観察の焦点を決める。そして観察を重ねるごとにその焦点を緻密化していく。このとき注意することが一つある。観察をするときはエクストリームなことをしているヒトに目がいってしまいがちだが、エクストリームな行動に注目してしまうとビジネスの広がりがなくなってしまう。何人か観察をして「同じ行動をしていないか?」という視点で問いを立てると良い。
 
③仮説(思い込みを持って観察をしない。まずはありのままのユーザの行動を観察する
 観察の目的は新たなインサイトを発見するために行う。今持っている仮説の検証を行うために行うのではない・ユーザはきっと〇〇だと思いこんでしまうと新たな発見は得られない。
 

観察の次は分析。今回はカスタマージャーニーマップについて講義を受けた。カスタマージャーニーマップとはユーザの行動を時間軸に並べてユーザの感情曲線を描き、その変化を分析する手法。カスタマージャーニーマップを見るときに気をつけるポイントも3つ

 

①問題を虱潰しにするのでなく、トリアージする
②感情曲線の最小値を見るのではなく、複数のユーザの感情が下がっているポイントに着目する
③事実の関係性を探り、背景を推測して概念を抽出する

 

分析では重要なの「多くのユーザに共通する課題」を抽出できるかどうか。ビジネスを成り立たせるためには多くのユーザの本質的な欲求を捉える必要がある。

 

さてここからは自分たちの研究へ。私達の研究のテーマは「人と情報の新しい関係」。具体的なケースとして情報を調べることが多い「観光・旅行におけるサービス」を考える。前回大阪の黒門市場大阪城の観察結果の分析を行う。観察からわかったことは一口に観光客といっても国や民族、その背景によってそれぞれ求めているものが違うということ。先生たちとのディスカッション中で話があった例でいうと、中華圏の人たちは市場のような開けたスペースで食べることに慣れているので日本のお店のように外から見てお店の中がわからなくなっていると入ろうとしない。逆に欧米の人は自分たちからぐいぐい行くなど行動にも差が出る。

 

そういったことを踏まえつつ「事実→解釈→仮説」というフェーズで分析を行った。事実はひたすらに見てきことを並べる。解釈では事実を見てユーザはこういう風におもっているんじゃないかという案を出す。仮説では解釈して内容をもとに概念を抽出する。解釈まで行ったところで、やはりユーザによって問題が異なっていることに気づく。さらにユーザだけでなく、サービスを提供している側にもそれぞれ問題が異なっている。うーんと悩んでいると先生方から「一つの問題を解いても無駄。全ての問題は繋がっているから、全体像を見てから問題を掘り下げた方が良い。」と言われる。今回はここで時間切れ。

 

尻切れトンボになってしまいましたが、「課題抽出力」の大切さを改めて思い知りました。。

Xデザイン学校 チーム活動#01

「課題をもう一度ブラッシュアップする」

Xデザイン学校の初回講義の翌週に早速メンバーミーティング兼ユーザ観察をしてきました。今回の目的は「課題をもう一度ブラッシュアップする」。先日の講義のときにテーマを「人と情報の新しい関係」とおき、具体的なユースケースとして「観光・旅行・冒険に関わるサービス」に決めたので、具体的な課題は何かを考えてきました。具体的には次の手順で活動をしてきました。

 

 ①現場を見て問いを立てるために外国人難波の黒門市場を観察する
 ②観察結果をベースに課題は何かをもう一度仮説を立てる
 ③立てた仮説を元に、もう一度大阪城で観察

 

■①現場を見て問いを立てるために外国人難波の黒門市場を観察する

情報と触れる機会が多いのは見知らぬ海外の土地をある時なのではという仮設を元に、まずは最近外国人観光客が多いと噂の難波の黒門市場に観察へ。行ってまず驚いたことはびっくりするくらい中華圏の人たちが多いということ。逆にそれ以外の地域の人は殆どいない。店引きのこえは中国語、支払いはアリペイ対応しているという完全なる中華圏対応。おもわず「ここって日本ですよね?」と聞きたくなるレベル。


もう一つ気づいたことは黒門市場の込み方は異常だが一本道を外れるとびっくりするくらい人がいなくなるという事実。一緒に行ったプロダクトデザイナーさんが教えてくれたが、日本の街は街歩きが楽しくない作りになってしまっているらしい。例えばパリなんかは街全体に歴史的な建物が残っているし、いろいろなところにお店がある。日本では青山などはおしゃれな景色があるだけでなく、下り坂が多くになっているおかげで、前に人が歩いていても、その景色を楽しむことができる。今までの自分になかった発想で勉強になった。

 

■②観察結果をベースに課題は何かをもう一度仮説を立てる
次は観察した結果を元に「課題は何か?」についてディスカッション。ここでもプロダクトデザイナーさんから学びを得る。まず課題定義を言葉にして、その課題に自分たちが共感できるか納得できるまで突き詰める。自分たちが共感できない課題を中途半端に問いても意味がない。当たり前のことかもしれないけど、大切なことだと感じた。


観察結果から得られた定性的なインサイトだけでなく、定量調査の結果についても情報共有「訪日ラボ」というサイトでは、日本にくるインバウンドで課題になっているのは「夜の遊べる」ところが少ないこと。大阪だと夜遅くまで飲める、難波・十三などに観光客が集まっているそうだ。また、日本に来る回数が多いほど滞在期間が長くなり、使うお金の量も増える傾向がある。


そういった情報があると「じゃあ日本に何度も来てもらうにはどうしたら良いのだろう?」という疑問が湧く。そこから「自分たちが何度も行きたくなる旅行先ってなんだろう?」という話になった。例えば自分の家族は毎年夏は千葉の館山の同じペンションに行くことがお決まりになっていたが、なんで毎年行ってたんだろう?。ペンションのオーナーさんと仲良しになったから友達に会いに行く感覚なのかもしれないし、何度も行っているから変なことに悩まなくていいからゆっくりできるからなのかもしれない。

 

少し視点を変えて旅行のビジネスモデルについて考える。旅行のときのお金の使い方を考えたときふと気づいたのは「旅行って売り切り型のビジネスモデルになっているのでは?」ということ。「旅行に来る前、来たあとも旅先とつながるビジネスを作ることはできないのか?」という視点も面白いのではと思った。

 

■③立てた仮説を元に、もう一度大阪城で観察
議論に煮詰まってきたので、もう一度観察へ。今後は場所を変え大阪城へ。まず気づいたことは大阪城には中華圏以外の人が多いということ。大阪城にくるとアメリカやヨーロッパの人たちが一気に増えた気がした。アメリカやヨーロッパの人から見ると日本のお城は珍しいのだろうか、歴史が好きなんだろうかという疑問が湧く。もしかすると中華圏の人は日本のお城を見ても自分たちの国にも同じようなものがあるからわざわざ来ないのかもしれないといろいろ仮説を立てることができた。一緒に行ったWebデザイナーさんから教えてもらったが、欧米の人は食べ物の味よりも機能を重視するそうだ。「奥深い苦味」よりも「健康に良い」と言ったほうが彼らには刺さるらしい。

 

さらに時間もあったのでメンバー各自でユーザ観察を実施。
自分が気づいたこととしては、子供がいる家族は主人公が子供で家族写真を撮っている人が圧倒的に多いということ。そこから思ったのは旅行をする本当の目的は家族との絆を記憶することなのではということ。普段は恥ずかしくて撮らない家族との写真も、旅行先なら撮れるそんなところに旅行の価値があるのではないかと思う。


■まとめ
黒門市場の観察で得られた「日本は街歩きが楽しくないから観光スポットに観光客が集中する」という課題を解決できたらもっと日本をゆっくり楽しんでもらえるのではないかという仮説にたどり着いた。

 

■今回の反省点
・集まるって活動するときは、予めその日のゴールを決めて置くほうがと良い。一日中ミーティングしたり、ユーザ観察していると疲れてきて、だらだらしてしまう。それを防ぐためには毎回ゴール設定を明確にしておく。
・観光/旅行/冒険をごちゃまぜにしない。同じように見える3つの違いに気をつける

 

■次回に向けて
・自分の会社に観光に関する提案をするとBtoBtoCの形になるので、もう一度観光・旅行に関わるステークホルダーを整理する

 

Xデザイン学校 #01 三年目の匂い

やや投稿が遅れてしまいましたが去年に引き続きXデザイン学校の大阪校でUXデザインの勉強(実践)を引き続き行うことにしました。去年と同じYahooさんの大阪オフィスにお邪魔したときに入って匂いを感じた瞬間に帰ってきたなーと感じました。今年は研究生として自分の会社をテーマに新しいサービスを考えていきます。

 

前回は写真を撮っていて先生の講義があまり聴けなかったので、まずは先生の講義を聞いて気を引き締め直してました。講義のなかで今の自分の中刺さったのは「学ぶ姿勢」と「コトとモノ」の関係。

 

■「学ぶ姿勢」
これから学ぶのであれば、今までのことをすべて忘れてゼロから学び直すこと。今でのものにプラスにするのはNG。よく商品の開発では機能の足し算はよくないと言われるが、学びにもこれが当てはまると聞いて確かにな感じた。新しく学んだことは必ずしも今の延長にあるわけではないし、相性が良いとは限らない。自分自身でそれを見極めて掛け合わせていくことが大切なんだろうなと理解した。


■「コトとモノ」の関係
良いサービスを作るとモノが売れる。自分自身はモノしか作ったことがないので、サービスを考得るときにモノと結びつかなくなってしまうことが多い。AppleiPhoneやその中のアプリなどのモノで利益を得ているが、顧客が買おうとしているのはそれで得られる体験であり、サービス。だから顧客が得られる体験、サービスが素晴らしければiPhoneやアプリが売れる。この話を聞いてスッキリした自分がいたが、それを作るにはどうすればよいかという次の疑問が湧いた。

 

■研究:人と情報の新しい関係
先生の講義を聞いたあとはチームごとに自分たちの研究に取り組む。アイデアを持っていった段階でシーズ発想だと怒られてこともあり、人はどんなことに嬉しいかをもう一度考え直す。その中から出てきたのは、「人と情報の新しい関係」。最近せっかく旅行中なのにスマホばかり見ている人が多いが、それって本当に嬉しいのだろうかということに疑問が湧く。

 

■研究を進めるにあたり
研究を進める前に去年の反省を含めて、研究の進め方をチームのメンバーと考える。その中で出てきた気をつけたいことは3つ

 

1.早くサイクルを回す
 去年は9ヶ月間かけて1サイクルを回したが、今年は早くプロセスを回す。早めに間違いに気づければ、より良い答えに近づける。
 
2.最初に頑張る
 早くサイクルを回すために最初に頑張る。締切直前に頑張るのは二流のすること。締切直前になっても余裕が持てるのが一流。自分はまだまだ未熟だけどそこを目指す。
 
3.サービズの広がりを意識する
 去年の最大の失敗の一つはペルソナに設定したユーザがエクストリーム過ぎてサービスに広がりがなかったこと。そうなった原因はセミナーに参加しているメンバーの声だけで全てを考えたことにあった。なので今年は早く外にでかけユーザーの行動、声を分析して広がりがあるサービスを目指す。

 

■最後に
今年最大の目標は「UXデザインを”趣味のお勉強”ではなく”実践”する」こと。本気で使わなければ身につかない。今年はそれを肝に命じ取り組んでいきます。

#UXKANSAI09 アクティングアウト~これからのもやもや~

 全9回に及んだUXKANSAIもいよいよ最終回。今回の最終テーマはアクティングアウトを用いて、今まで考えてきたビジネスを発表。取り組んできたテーマは

 

「老朽化した社宅や空き家を解決するビジネス」

 

ステークホルダーは大きく3者いる
・施主である会社
・入居者
・建築会社

 

まず自分が今回のお題を聞いた時疑問に思ったことは

「社宅を持つ費用=人を雇うためのお金」
なのではということ。独身寮に入っていたときに先輩から言われことは「お前は給料をもらってるだけじゃない。独身寮に月一万円で住まわせてもらってるんだから、その分も投資してもらっていると思え。」。敢えて高いお金を出して社宅を持っている会社さんの「人材をどうやって確保するのか」という課題に向き合いたいと思った。

 

次に考えたのは入居者の課題。夫婦共働きが当たり前になったが仕事と子育てをどうやって両立するのか。まだイメージできないけど、これから自分がぶつかるかもしれない課題に取り組むことにした。

 

最後に考えたのは建築会社の課題。ビジネスとして継続できる事業にするにはどうしたら良いのか。ビジネスはボランティアではない。社会に貢献してお役立ち料としての利益をもらうのが事業。本業でも問われる課題にどう向かい合うのか。

 

そんな自分たちのグループが考えたビジネスは
「ここで働く。ここで暮らす。」
社宅の中にコワーキングスペースを設け、夫婦で仕事と子育てを交代しながら生活をできるようにするというサービス。お嫁さんにも働いてもらうことで夫婦の収入をアップさせ、そのお金の一部をコワーキングスペース利用料として、施主さんに渡してもらうビジネス。

 

何か引っかかる所があるな、なんかもやもや、するなと思いつつ望んだ発表当日。発表したリフレクションでようやく原因に気づく。ダメだったのは次の3つ

 

【反省点】
・ペルソナが特殊すぎた
同じセミナーに参加したメンバーのインタビューを基にデザイナーのペルソナを作成したが、テレワークで働いても会社で働くのと同じお給料をもらえる人はほとんどいない。それができるのはこのセミナーに参加するような、少し意識が高い人達だけ。自分の会社もびっくりするくらい人がいるけど、うちの会社でもそれができる人は限られる。先生に言われるまで気づかなかった自分の迂闊さにびっくり。
 
・流行りに乗ってしまった

コワーキングスペースといつ流行りのアイデアに飛びついてしまって、そこから先を考えることができなかった。今までコワーキングスペースに何度か行ったことがあるせいか、コワーキングスペースはこうあるべきというフレームに囚われてしまっていた。


ステークホルダーの善意に期待し過ぎた

ビジネスモデルを考える途中に解決できない課題があると「メリットはあるし、少しは我慢してくれるだろう」という甘えがあった。それが徐々に大きくなって、実現性の低いビジネスになってしまった。

 

・「人に伝える」というこだわりが薄かったこと。

他チームの発表資料を見て思ったが、時間内に作り上げるのを意識しすぎて人に伝えることの意識が薄くなってしまった。他チームを見てビジュアルで伝えることの大切さを改めて思い知る。ビジュライズスキルが不足していることもあるが、普段の癖でロジカルにしすぎて共感してもらいにくい発表になってしまった。

 

【良かった点】
・発表の点を絞ったこと

今回の発表で多分発表時間内に発表を終えたのは自分達のチームだけだった。「伝えたいことは何か?」を資料作り始めた段階から、メンバー全員で意識できた成果だとおもう。


ステークホルダーを常に意識できたこと

考える度合いは甘かったが、先生に言われる前から、入居者だけでなく、施主の利益は何かを意識して進めることができたのは良かった。

 

・他でも学んだことを活かそうとしたこと
上手く使うことができたかはわからないけど
この一年間学んだことを活かせたことはよかった。MIT Media Labで学んだ「ビジョンを持つ」。Zibaの濱口さんの講演で聞いた「みんなが持っているバイアスを考える」。を意識しながら考えることができた。

 

反省する点もたくさんあったがが何より良かったのは、欠席一回で最後までさんかできたこと。去年は後半海外出張でほとんど参加できなかったけど、今年は最後までやりきったことで、こういう所で気をつけないといけないのかということが理解できた。プロセスを最後まで回すことの大切さ、やりきることの大切さを改めて思い知った。これでようやくUXデザインの入り口に立てたと思う。

 

今年講義で掲げた「会社のBtoBビジネスに活かせるUXデザインを身につける」の答えが出た。それは結局「自分自身で作るしかない」ということ。今まで学んだUX、それ以外に学んだこと全てを活かして自分自身で目指すものを作っていくことに決めた。そのために、これからもっと貪欲に学び失敗を恐れず外化して行きたい。


最後に二年に渡って教えをもらった浅野先生、UXKANSAIの運営の方々、同じEチームのメンバー、参加者のみなさん本当にありがとうございました。

 

「概念」とは現実を掴むための言葉

昨日の観察の結果を基に今日はKA法で価値の分析。うちのチームは悩んだ結果
まず「周りからどう思われたいのか」、「自分がどうしたいのか」という
外向きな価値と内向きな価値でという軸で分けることにした。さらに内向きな価値を達成する手段として、周りを使って実現する」と「周りの人を排除することで実現する」という軸で分けた。

 

例えば「集中して課題を片付けたいとき」は敢えて他の人がいる図書館で勉強することで周りの目を使い自分をだらなけいように追い込む。逆に女の子はリラックスしたい時男子の目を気にしなくて「女子専用休憩室」で休む。こういった具合で周りからの目を上手く使うことで自分の欲求を上手く満たしている。

 

他のチームのまとめ方でうまいなと思ったのは「軸で区切る」のではなく、「構造化」で分析を行ったチーム。維持⇒安心⇒没頭という順番でレイヤーが上がっていくという構造にして分析。分けるのでなく、積み重なるという見方。言われたならそうだなとおもうけど、全く思いつかなかった。次回は分ける以外の構造に挑戦しようと心に決める。

 

次はパターン・ランゲージ。具体的な事象である観察結果を抽象化してパターン・ランゲージにしていく。ここでもやはり苦戦。「具体的な事例の世界」と「抽象的な概念の世界」を行ったり来たり。概念化しているつもりなのに具体的なことを書いてしまったり。逆に抽象化し過ぎて、わざわざ分析しなくても良い当たり前のことになってしまったり。とにかくこれが難しい。

 

近畿大学の山縣先生から教わったことは「概念は現実を掴んでいなければならない」ということ。良い概念はその概念を抽出した事例とは別の事例に当てはめて使うことができる。言い換えると、概念は圧縮形式のようなもので具体的な事例を圧縮した概念という形で収納しておき必要なときに取り出して使う。

 

浅野先生の言葉を借りるとパターン・ランゲージとは「名言」や「企業理念」のようなもの。人に聞かせたときに「それってあるよね~」となる言葉。それぞれの会社は必ずその必勝パターンを持っているがそれが言語化されるとパターン・ランゲージになる。しかし多くの会社ではそれが言語化されていない。パターン・ランゲージがしっかり言語化できれいれば新規事業を行うときもそのパターンを当てはめて事業化をスムーズに進めることができる。なるほどなと思いつつ「うちの会社はどうなんだろ?」と思い返す。時代が変わる中、創業者の言葉を「今の時代に当てはめると?」という視点で考えているのか。本質的なところは変わらないが、時代時代に合わせて言葉は変えてリフレーミングしていかなければと再度認識。

 

話は戻ってパターン・ランゲージ。自分が着目したシーンは「学生さんが次の講義の部屋が近い食堂で休んでいるシーン」。学生さんに話を聞いたところ「講義の直前までダラダラできる」ということ。

①前の講義⇒前の講義の部屋で休憩⇒移動⇒次の講義
②前の講義⇒移動⇒次の講義に近くで休憩⇒次の講義

①と②でトータルの時間は変わらないが②の「次の講義に近くで休憩」にすると
移動時間が休憩時間と捉えることができて得した気分になれるというパターン。
パターン・ランゲージ名は「ゴールに近づくと余裕ができる」。浅野先生からは「言いたいことはわかるがもう一息」と言われる。結局答えが見つからずこのブログを書きながら、悶々としている。

 

全員が一旦発表するも先生からダメだしをくらいやり直し。グループ毎に一つに絞って考え直すことに。うちのグループで注目したのは学生さんが出したパターン。シーンは「女子学生が男子学生の目がない女子専用休憩室でダラダラしている」学生さんが付けたパターンランゲージは「逃げるの公認」。自分もそうだが体言止めで書いてしまうと、人間の行動と結びつかなくなってしまう。特に自分のような理系の人間は箇条書きで端的に書く訓練ばかりしているので動詞で終わる文章が書けない。動詞で終わるように注意して考え直し、「逃げるの認めてよ」というパターン・ランゲージを作る。

 

そしていよいよサービスデザインに移る。今回のお題は「大学祭で今までにないサービスを考える」。うちのチームで議論に上ったのは「逃げるの認めてよ」を部屋のような物理的な空間ではなく、他の方法で実現できないかということ。

 

学生さんに聞くと学園祭は普段以上に自分たちが所属するグループに縛られるイベントといわれた。顔の広い学生さんはたくさんの店で捕まるので案外自由が機会ないらしい。

そんなことを聞いて考えたアイデアは「近大トーク」というアイデア
普段の仲間とはできない、マニアックな会話ができるサービス。例えば、漫画の◯◯が好きだけど、普段のメンバーだと好きなやつがいなくて話できないんだよなーといった具合。先生からは「逃げるの認めてよ」というパターン・ランゲージが面白いと言われる。会社なんかでトイレに篭って出てこなくなる人が結構いるらしい。そういえばうちの会社でもトイレの個室がずっと閉じているときがある。確かにそういった問題を解決できればビジネスになりそうな気が(アイデアは思いついていないけど)。

 

そんなこんなでダラダラ書いてしまったけどわかったようなわからないような感じで結局モヤモヤしている。